Quantum Information Science I メモ その12 No-cloning theorem
No-cloning theorem (量子複製不可能定理)
「量子状態はコピーできない」という話自体は聞いたことあるけど、どういう意味なのか良くわからなかったが、この講義を聞いて分かったような。(今も正直狐につままれた感が)
前提として、
- ユニタリ変換の前後で内積は変わらない(保存される)。
これは、後で示すが、あまり難しい話ではない。
その時、未知の量子状態 がコピーできるということは、
- (1)
とすることができる と示せる。 同様に
- (2)
(1), (2) の各辺で内積を取ると
と置くと x = x2
これは、x=0 or x=1 のときしか成立しない。
ここから、直交するか同じ状態にあるものしか、コピーできないので、未知の量子状態はコピーできない。
私の分かっていないポイント
- が急に出てきたけど、なぜ? 状態が分っているものの例として?
ここで使った、ユニタリ変換で内積が変わらないというのは、
というユニタリ変換を考えたときに、変換後の内積をとると となるので、
となり変換前の内積と同じ
Quantum Information Science I メモ その8 d次元のMeasurement
Bloch Spereで、 Quantum Computingでは、上の図の矢印の位置、 は、、
は、と表される。
Measurement
Qbitの場合
Measurement: に対して、Measurement(測定)すると、の確率で の確率でであることを識別できる。
d次元の場合
d次元の場合、Standard basis(標準基底)における「von Neumann measurement」は、
確率の確率でとなる。
(1)は単位ベクトルなので
任意のMeasurement basis(標準基底でない場合も) のもとで、
を見る確率は
あるStateを、任意のMeasurement basisで測定するということなのかな。
Quantum Information Science I メモ その7 コペンハーゲン解釈
Copenhagen interpretation (コペンハーゲン解釈)
ボーアの考え方(ボーアの研究所がコペンハーゲンにあった)ということらしいが、これまで聞いたことがあるコペンハーゲン解釈は、Wikipediaにある「量子力学の状態は、いくつかの異なる状態の重ね合わせで表現される。このことを、どちらの状態であるとも言及できないと解釈し、観測すると観測値に対応する状態に変化する(波束の収縮が起こる)と解釈する。」というものですが、Shor先生の説明は以下の通り。本質的には同じことなのか、分からない。。。
コペンハーゲン解釈は、「量子力学の過程は2つのevolution(ステップ)に分けられる」とするもの
- unitary evolution
- measurement
実生活では両方同時に起きるが、説明を分かりやすくするために、Unitary evolutionが起こってから、観測(Measurement)が行われるとする解釈の仕方
Quantum Information Science I メモ その6 ユニタリ変換
Wikipediaによると、数学において、ユニタリ変換(ユニタリへんかん)とは、2つのベクトルの内積の値が変換の前後で変わらないような変換である。(Wikipedia)とあるが、これと同じことだと思うが、捉え方は色々とあるようで、 Shore先生によると3つの定義があるとのこと。
- 全ての列が互いに直交している(行もなのかな)行列による変換 (2)
- となっている行列による変換 (3)がつくのは、複素共役とって転置したもの
(2)の導出
d次元のQuantum state space としたとき、
とおけば
はUのj番目の列なので、
となり、
(上の式に掛けただけ)
ここで はクロネッカーのデルタ
をUで変換すると、
Unitary transformationしたので、これも基底ベクトル
ユニタリ変換したものは基底ベクトル
(a)
同様に、
をUで変換すると、
(b)
(a), (b) は直交 Uの全ての列ベクトルは互いに直交
(3)の導出
Quantum Information Science I メモ その5 量子ゲート
Bloch sphere上での回転等 = 量子ゲート(量子計算における基本計算)になる。
Pauli matrices パウリ行列
Bloch sphere上で、
特性
順番を変えるとマイナスつく
H (おそらくHadamard transform)
例:
と を相互に変換
と を相互に変換
S
T
Pauli matrixを使って、だけ回転するには
ブロッホ球上で、 x軸を中心に回転させるのは、 y軸を中心に回転させるのは、 z軸を中心に回転させるのは、
ここで、パウリ行列
行列Xを指数のところに持ってくると、結果は行列になって、底はそのままで、指数部分にXを除いたものが来るのかぁ。と思ったが違った。先生、素人相手に端折りすぎだぜ。(元々、MITの学生さん相手だから大丈夫なのか。。) 理解した内容は、ここに書く
z軸を中心に回転する方法が分かったので、
例として、 をz軸を中心に回転 (以下の図で、回転して青を赤に)
を別の形で表す
- 対角化する。
- テイラー展開する
対角化(Diagonalize)すると、
としてから
Undiagonalizeする っとのことですが、このUを出さないといけないが、そこはわかりませんでした。「この先は自明じゃ」。ということかもしれないが、私には自明ではない。。でも、もう一つ分かればよしとして、対角化の方は深追いしない。
行列の指数計算
最初は、なんと直感的でない定義だ。と思ったけど、以下のテイラー級数で表現したexからきてるのか
ここで、Xが対角化されていると例えば、2by2の行列でいうと
なので、
となることから、対角化して...という話が出ていたのかと納得
テイラー展開する
すでに、行列のべき乗の定義の時点でテイラー展開が出てきているが、定義に基づいてテイラー展開した計算をしているよう
で、
A2 = I だと、
これを使うと
x軸周りの回転
同様に、
Quantum Information Science I メモ その4 Bloch sphere
Bloch sphere
(ブロックって聞こえたが、ブロッホらしい。)
量子ビットの状態を3次元で示している
- spin up
- spin down
これを使って、Qubitの演算結果を「回転」により示したりする。